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2009-09-30

愛するには短すぎる。

梅芸のAIDAを観たら、わたるくんのラダメスいいよなあ、と再認識し、わたとうコンビって良かったよなあ、と懐かしくなり、思い出した演目がある。

星組元トップスター、湖月わたるさん(ワタさん)の退団公演『愛するには短すぎる』だ。

愛するには短すぎる
2番手だったとうこちゃんはパッケージには写ってないにゃ(笑)


舞台は海を行く大型客船。ワタさん扮する資産家の息子(といっても幼い頃施設から引き取られた養子)フレッドは、留学先から婚約者の待つニューヨークへ戻る所だ。陽気な友人アンソニー(とうこちゃん)との気楽な船旅になるはずだったが、船内で幼馴染のバーバラ(現雪組娘役トップの白羽ゆりさん)と偶然再会し、図らずもお互い惹かれあってしまって。。。というストーリー。

退団公演とはいえ、涙涙というよりは、切ないながらもふっと笑顔になるような、温かな作品で、私は大好きだ。DVDは持ってないけどね(高いもん)まあその。。。終盤がさ。んー。もしかして別の演出家が意見しましたか? みたいな違和感はあったんだけれども(ゴホゴホ)いやまあ私の妄想ですよねそうですね。はい。

まあそれはおいといて、私の大好きな、専科の未沙のえるさんが出ているのもいいのよね。本当に芸達者で、舞台の空気をいい意味で和らげたり笑わせたり。ベテランですなあ。

中でも、ワタさん扮する主人公の青年フレッドと、とうこちゃん扮する親友アンソニーの『恋は元々アンフェア』のシーンは、歌も振り付けも絶品で、とても楽しい。

http://www.youtube.com/watch?v=u_CdynCevpY

フレッドとバーバラは惹かれあってしまうんだけど、フレッドには婚約者が居る。真面目なフレッドは大いに悩むが、自分もバーバラに惹かれてしまった能天気なプレイボーイのアンソニーは、二人の気持ちに気付きながらも、堂々とバーバラにアプローチを仕掛けちゃう。ワタさんととうこちゃんの丁々発止のやりとりは、二人の個性が良く出ていて面白い。トップと2番手が親友同士の役ってのは、素直に萌えますねえ。大きなワタさんが華奢なとうこちゃんを後ろからふざけてギュッと抱きしめちゃったり、リフト(!)しちゃったり、なんかもう、「やめてええええ!」といいながら笑顔でガン見しちゃうような(あら)スピーディーで楽しいやり取りで、もう大好き。こういう、さらっとしていて、だけど泣けて笑えちゃうっていう作品、あるようで、無い。というのも、これ、演じる側は、かなりの高スキルを要求される難しい芝居だからだ。

このお芝居、はっきりいって、脚本自体は凄く地味だ。

ベルばらやエリザベートのような、宝塚の十八番とも言えるコスプレものやミュージカル大作と違い、派手な衣装やぶっ飛んだストーリーで観客を引きつける事は出来ない。

日常の延長にある、普通の人達の普通の恋愛。衣装も普通だし舞台はずっと船の中。相応の物語の盛り上がりや見せ場はあれど、派手な大立ち回りもなければ殺し合いも起こらない。

演じるスターが魅力的で、なおかつ上手くなければ全然面白く無い、かなり高いレベルのスキルが要求される難しい芝居なので、宝塚には不向きとも言える。私はこの公演の新人公演を観ていないが、観た方の公演評など読むと皆苦労していたようで、そりゃろうだろうなあ、と思う。ビジュアルや振り付けでごまかせないもんね、この芝居は。

でもこれをワタさんととうこちゃんが演じると、とても素敵な物語になる。

宝塚の演目は、まずトップスターありきで選ばれるし書かれるといっても過言ではない。退団公演ともなると、その傾向はあからさまと言っていいほど顕著になる。

スケールの大きな男役であるワタさんだからこそ、生真面目な青年フレッドは、何ともいえず魅力的な青年になる。他の人が演じても、ただ真面目なだけの、面白みの無い青年になってしまうだろう。下手すりゃ「なんてつまんない男」と言われかねない。

そして、友人アンソニーも、とうこちゃんだから、いい。

この役は下手すりゃ単なるチャラ男(笑)になる。上手い人が演じなければ、ただ無神経で明るいだけの、とんでもない輩になってしまう。

アンソニーは、明るく能天気で要領が良くて、友人であるフレッドをも平気で利用するような所があるように見える。だが根っこの部分では、フレッドの事を大切に想う、心の優しい青年である。

とうこちゃんはこの「だが友達思いの優しい青年である」と言う部分を素晴らしく演じきった。この「だが」の部分があるアンソニーだからこそ、観客は、好き放題している(ように見える)アンソニーと、真面目すぎるフレッドとのやりとりに爆笑しながら「でもなんか切ない」気持ちで観る事が出来る。

ワタさんととうこちゃんだから、退団公演が派手なコスプレ物や大作物でもそりゃ素敵だったろうが、あえてこういった作品を持って来てくれて、よかったと思う。派手な舞台設定でない分、かえって二人の単体での魅力と、ワタとうコンビの放つ光を、観客はストレートに受け止める事が出来たのではないだろうか。

非常に古い話で申し訳ないが、私はワタさんととうこちゃんの並びというのは、麻美れいさん(ターコさん)と汀夏子さん(ジュンコさん)のペアに良く似ているな、と常々感じている。

長身で穏やかな雰囲気のターコさんと、ターコさんに比べれば小柄ではじけるような明るさのあるジュンコさんのコンビもまた、舞台の上では「二人で居る事で」より一層輝いていた。オサちゃんとあさこちゃんみたいに、「正統派トップとカッコいい2番手」というのはよくあるパターンであるが、身長差含めての(笑)トップと2番手の凸凹コンビというのは、宝塚では滅多に無い事だ。そしてこの二組に共通しているのが、2番手が相当な実力者である、という事。とうこちゃんもターコさんも、トップと並んでも遜色なく、何の違和感もなく『素敵なコンビ』として観客を魅了する。トップと2番手のやりとりというのは、2番手が上手ければ上手いほど面白いし魅力がアップする。『美しいけど面白い』『楽しいけど凄く上手い』物を見せてくれる。最強のペアだ。(ここではトップの相手役であるトップ娘役にはあえて触れません・笑)


歴然とした番手主義の宝塚において、トップスターとトップ娘役、トップスターと2番手男役の絡みや相性と言うのは、とても大きなセールスポイントであり、萌えポイントだ。

とうこちゃんの宝塚人生は、決して順風満帆ではなかったけれど、2番手として最期に支えたトップスターがワタさんで、そのワタさんの跡をそのまま引き継いでの星組トップ就任で、本当に良かったと思う。

ワタさんもとうこちゃんも、もう宝塚には居ない。

でも私はこれからも、この二人を別々の舞台やメディアで目にする度に、どうしようもなく魅力的な、フレッドとアンソニーを思い出すと思う。


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2009-09-27

本物の女優・安蘭けい。

梅芸に、とうこちゃん(元宝塚星組トップスター、安蘭けい)のAIDAを観に行った。


退団公演の最中に撮ったというのが驚き。何でこんなにすんなり役になりきれるの~!

マイ初日でマイ楽(笑)。一回こっきりです。

とうこちゃんは、宝塚在団中に、宝塚版アイーダ、『王家に捧ぐ歌』のタイトルロールをしている。外部のお芝居ではどうなるのかな、と思っていたが、予想通り、何の違和感もなく素晴らしいアイーダだった。しかも今回は「女優・安蘭けい」としてのお披露目公演。本当に素晴らしかった。

とうこちゃんの舞台は、観ていると劇団四季に居た保坂知寿さんを思い出す。歌うような台詞に台詞のような歌。舞台を自在に彩る、素晴らしい役者だ。宝塚っぽさが抜けないという事も無く、この人は天性の演技者なのだな、と心底感心したし、感動した。

又、今回の舞台、私が楽しみにしていた人がもう一人居る。


ファラオ役で出演の、元劇団四季の看板俳優の一人、光枝明彦さん。通称おみつ。

おみつ
この人の歌唱力と演技力は日本演劇界の宝です。


四季は宝塚と違い、スターシステムを取っていないし、俳優ライブラリも公開していない。どんな大物であれ、入団も退団も、会員にすら公表はされないので、「そういえば最近あの人どの演目にも出てないな」と思っていたら辞めていた、という事が普通にある。おみつもその一人で、私はいつおみつが辞めたのか知らなかった。気付いたら居なかったわけで、そりゃショックでしたよ、ええ。だから、最近外部の舞台に出演しているおみつが、とうこちゃんと共演すると聞いて、本当に嬉しかったです!おみつ万歳!!


そうそう、おみつですが、四季時代、アニメ『ノートルダムの鐘』の吹き替えをしているんですよ。アニメの吹き替えと言っても侮る無かれ、これ、キャストが皆劇団四季という豪華版で、本当に台詞も歌も素晴らしい!! 主役のカジモドとエスメラルダは当時の大看板、石丸幹二さんと保坂知寿さん。吹き替えでこんだけクオリティ高いのは、後にも先にもこれだけでしょうね。機会があれば、是非。

ノートルダムの鐘。
ノートルダムの鐘
もう何度観た事か。聞き惚れます。

で、AIDAの感想。

演出は宝塚でおなじみのキムシンさん。

やはり予算上の制約もあるし、出演者の人数も宝塚の半分以下なので、色々と苦戦したのだろうなあ、というのは感じました。場面ごとに華やかなセットが替わる事もないし、群舞といってもせいぜい10数人。その割には工夫していたなと思います。でももう少し奥行きを使った動きが欲しかったかも。舞台前面が狭く感じたかな。

出演者に関しては、とんでもなく下手な人が居なかったので安心して観られたけれど、やはりラダメス役の伊礼君はもう手一杯という気がした。不安定な所はあるけれど歌えている方だし、ビジュアルも舞台向きで見栄えのする人なのだが、この役をするには幼く感じた。歌も芝居もMAXで頑張っているのだけど、実はそれが失敗なのよね。

一つのお話、舞台は、音楽と同じだ。

ピアノコンチェルトに例えれば判りやすいと思う。

オーケストラが居て、指揮者が居て、ピアニストが居る。

指揮者が演出家なら、ピアニストはお芝居で言う主役だ。そしてその後に、バイオリンやビオラやオーボエ、チェロなんて風に、各楽器がある。

ここで大切なのは、各楽器、各楽章のバランスだ。

ピアノコンチェルトだからといって、ピアノがずうっとフォルティシモでガンガンやっていたら、どうだろうか? そしてオーケストラが完全な脇役としてしか機能せず、ずうっと弱い音量で伴奏しているだけだとしたら、それはもはや協奏曲でもなんでもない、ただの雑音と一緒だ。

ここのピアノソロは切なく。ここは激しく。この楽章ではオーボエのソロが歌うように始めて、そこにバイオリンが加わってピアノはあくまでも優しく。ここはティンパニの聴かせどころ。

それぞれの楽器が、楽章ごとに、小節ごとに、自分の与えられている立場というものを完全に理解して表現する事で、美しいハーモニーが生まれ、美しい一つの曲が完成する。

舞台も同じだ。

自分の出番を全て目一杯全力で前に前にと頑張ってしまっては、一つの物語としての流れやバランスを崩してしまう。でも、この「芝居の流れの中での自分の立ち位置」というものを、頭ではわかっていても、きちんと演じきれる人は、意外と少ない。

伊礼君は頑張っていた。お芝居も歌も本当に頑張っていて、「結構出来る人」というレベルにまで持ってきていたし、とうこちゃんとの並びでも歴然とした差を「そう感じさせないように」頑張っていた。

だがいつもどの場面でもそのテンションなので、何か違うんだよな、と思わせてしまう。これはアムネリス役のANZAさんにも言える事で、ビジュアルにも恵まれ、舞台人としての力のある人なのに随分勿体無い事だ。

主役だから、主要キャストだからといって、いつも、どの場面でもMAXで存在する必要は無い。一つ一つの場面は、音楽で言う一小節一小節と同じなのだから、自分がどのタイミングで、どれだけの音量でどんな風に奏でればいいのか、常に周囲とのバランスを考えながら演じなければいけない。

その点、おみつは勿論の事、とうこちゃんは完璧だった。

常に場面場面の全体のバランスと言う物をキャッチして、完璧に演じきる。その上で、同じ場面に出ている伊礼君やANZAさんのバランスの不安定さをもカバーしてしまう。素晴らしすぎるとしか言いようが無い。だからファラオもアイーダも、強烈な存在感でありながら五月蝿くないし、場面だけでなく芝居全体のバランスを崩さない。それでいて、「この役者の芝居をもっと観てみたい」と思わせる。

だがとうこちゃんの場合、前にも書いたけど、この素晴らしすぎる舞台人としての資質が、「宝塚のトップスターになる条件」としては、マイナスに働いてしまった。

宝塚の場合、「端に居ると目立っちゃってしょうがなくて、真ん中に持って来るしかない人」ってのが居て、そういう人はもう、早くから抜擢されてトップへの道をまっしぐらに行く。現トップなら星組のちえちゃん(柚希礼音)や、下級生ならやはり星組の真風涼帆さんなんかがそうだ。長身の、素晴らしく見栄えするビジュアルに、どうしようもない中央オーラ(笑)、ベルばらのアンドレが絶対に似合わないし、上手く出来ない不器用さ(褒め言葉です)。何しても目立ってしまう、何しても同じ芝居(こら)逆に言えば支える芝居が全く出来ないって事で、こういう人はもう、センターに持ってくるしかない。

でもとうこちゃんは違った。



今回のAIDAの舞台では、女性の出演者の中ではとうこちゃんは他の人より頭半分位背が高いし、体格のいい伊礼君とのビジュアルバランスも良く、「やはり男役だった人はすらりとしてカッコいいな」と思わせるが、170cmを超える長身さんがわんさかいて、娘役でさえ165センチ近い人も大勢居る宝塚では、「安蘭けいは小柄だ」とずっと言われてきた。

公演評などでも必ずと言っていい程「小柄ながら健闘していた」とか「小柄だが素晴らしい演技力で」なんて書かれていて、150センチしか無い私は毎回、「とうこちゃんは大きいわよ。第一身長と演技力に何の関係があるのよっ!」 と、突っ込んでいた。

舞台の上ではどうしたって大柄な方が目立って衣装栄えもするし、娘役とのバランスもいい。皆が同じ衣装、同じ振り付けで踊る黒燕尾の群舞などになると、ちえちゃんみたいに長身で腰の位置の高い人は文句無くカッコいいし人目を引く。8頭身で当たり前。体の半分脚ですから、みたいな人が山ほど居る宝塚の中で、とうこちゃんのような体格の男役が、観客に際立った存在感を感じさせるというのは並大抵の事ではない。舞台上で、男役として目立つ為。娘役とのビジュアルバランスを取る為に、彼女は人知れず物凄い努力をしてきたと思う。衣装の着こなしやさりげない身のこなし、視線の配り方に至るまで、細心の注意を払い、勉強して来た筈だ。この人は「見せ方」の非常に上手い人で、それは才能もあるが、やはり努力の賜物でもあると思う。

それに、とうこちゃんは器用すぎた。

歌も芝居も変幻自在に操る事が出来、芝居全体の流れの中での自分の立ち位置というものを瞬時にして理解して表現出来る人なので、ここで自分は影になるべきだ、となればすっと影になり、ここでは光るべきだ、となれば、芝居全体のバランスを崩さない前提で、光を放つ。歴然としたスターシステムの宝塚では、こういう上手すぎる人は往々にして「支え役」に回されてしまう。(これは路線外の生徒が脇としてしか扱われないのとは全く違う)とうこちゃんが早くから路線として抜擢されながら、2番手としての時期が非常に長くなるという事態になってしまったのは、勿論劇団側の配慮が足らなかったせいなど色々な要因はあれど、彼女が上手すぎたのも、一つの原因だったかもな、とは思う。

宝塚の安蘭けいは、実力がありながらトップになるのに随分と時間がかかり、トップ就任後、僅か2年ほどで退団した。

でも女優安蘭けいは、もう小柄だと言われる事はないし、まだスタートしたばかりだ。

変幻自在に協奏曲を奏でる事の出来る彼女には、これからもっともっと素晴らしい舞台が用意されていくだろうし、彼女もそれに応えて行くだろう。

彼女は宝塚時代、もう辞めようと思った事が、何度もあるという。

もうトップにはなれないかもしれないと思った時、「もうトップには拘らず、これからは与えられた役を精一杯生きよう」と気持ちを切り替えたという。

宝塚では、路線外の生徒や、路線から外された生徒は当たり前のように辞めていく。下級生や同期に先を越されたり、予想外の組替えや番手の下がりを経験する事は、精神的にも随分と傷つく。踏ん張って辞めずに居た所で必ずトップになれるわけではなく、劇団側からの肩たたきも存在する。そんな中で、「雪組の御曹司」とまで言われていたとうこちゃんが想定外の組替えになり、同期のコムちゃんが雪トップになり、自分は星組で延々2番手で、時には新専科から上級生が降りてくるために3番手の役回りになってしまい、それでも尚辞めずにくさらずに、「与えられた役に生きる事に徹する」決心をしたというのは凄い事だ。本当に舞台が好きで好きで、そのために生きている人にしか出来ない決意だ。

舞台上のAIDAに向かって、私は「とうこちゃん、宝塚、トップになる前に辞めなくて良かったね」と心の中で呟いていた。

安蘭けいが2番手のまま退団していたら。退団後、外部の舞台で主役を演じる事は、ましてやAIDAを演じる事なんて、無かっただろう。

男役安蘭けいの血の滲むような努力と忍耐は、トップスター安蘭けいとしてだけでなく、女優安蘭けいとしての素晴らしい礎になった。

とうこちゃん、女優としてのスタート、本当に、おめでとう!!


そして。。

伊礼君のラダメスがちょっと物足りないなと思って、結果、わたる君(元宝塚星組トップスター、湖月わたる)は本当にスケールのでかい男役だったなあ、という事を再認識しちゃったりしたわけで(笑)。

長身の男役は沢山居るけれど、わたさんのあのスケールの大きさは、なんか、特別だわ。他に思い浮かばないもん。あんな人。包容力があって、スケールが大きくて、おんなじくらい音程も見事に外してぶっ放すんだけど(こら)でもそんなの全然いいのよっ! っていう。

上半身裸の、筋肉隆々の長身の伊礼君ラダメスと並んでも、多分、わたるラダメスの方が男らしいんだよね。

そんじょそこいらの女より、ニューハーフの方の方が、ずっと仕草がしとやかで美しいのと同じかな。とうこちゃんも、物凄くリアルな魅力のある男役だったしなー。

宝塚、恐るべし。



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2009-09-26

チケットビジネス

朝刊に、ピアニスト、辻井伸行さんの福知山市公演のチケットがネットオークションに流れているとの記事が載っていた。50席近くが高値で出品されており、殆どが同一人物による出品だと言う。

辻井伸行1

元々は公費から補助金を出して、1500円という格安での販売だったのに、組織的に買い占められた最前列含む良席ばかりが数倍~10倍以上の価格で出品されており、買い手が付かないままのものもあるので、公演当日、そこだけ空席になる可能性もあるという内容のものだった。

元の発売は先着順で、当日窓口には販売数を上回る希望者が殺到したという。元々一人当たりの購入枚数も制限がつけられていたので、組織的買占め&転売という事で、主催者側は警察にも相談したそうだが、ネットでのチケット出品を取り締まる法律は無いのでどうしようも無い、との事だった。


しかしこのチケットビジネス。なんとかならないのかしら。

宝塚のトップスターの退団公演だって瞬殺なのに、何で一時間もしないうちにオークションサイトや転売サイトに山ほど出品されるわけ?

私はああいうのには手は出さないけど、お金さえ積めば希望の席が買えるから、仕方無いと割り切って買う人も相当数居るし、転売目的では無く純粋なファンで、観たいがゆえにあちこちで押さえたチケットがだぶってしまい、ネットで売っちゃうケースもある。

おさちゃんの退団公演も、とうこちゃんの時も、大楽ともなると、いい席は何十万円にもなっていたし、本来数千円の立ち見券ですら10万とかバカみたいな値段がついていた。

幾らなんでも異常だわこれ。

取り扱い業者にしてみれば、転売そものもを禁止されたら商売にならないから反対するだろうけど、スタート価格は定価以下が常識だし、上がったとしてもせいぜい定価の2倍くらいまでに抑えるようにしないと。

人気公演になると幾らでもお金を積むファンが居る。向こうもわかっててスタート価格は低くして、「だってみんなが吊り上げるからあ。私は儲ける気なんて無いのよ、行けなくなったから安く譲ろうかと思っただけでえ」ってポーズを取る。「行けなくなったのでお譲りします」って、いやあなた、一体どんだけのアーティストの公演、毎回買っては出してんですかと(笑)

さて、この辻井さんの公演。本来の趣旨からいえば、安価で、より多くの人に楽しんでもらおうというものだったから、お年寄りや主婦や学生とか、なかなか自由になるお金の無い人が素晴らしい演奏を聴くことの出来るチャンスだったわけだ。

当初から転売が心配されており抽選での販売も考慮されたが、最終的には先着順方式を取り、こうなった。お役人は、チケットビジネスがどんだけどす黒くて容赦ないものか知らなかったんだろう。



買い手が付かず当日空席の可能性とあったが、記事になったことで「余ってんの!?」と買う人が出るかも知れない。しかし新聞沙汰になった席をオークションで買って、当日会場に現れるのって、勇気が居るよなあ。可能性としては、主催者側が直接出品者に質問欄等からコンタクトを取り、払い戻しに応じてくれるように説得し、それを当日券として販売するか(なんとも凄い当日券だなこれは)、主催者が落札して当日券として公演日に1500円で販売するかだが(酷い話だなあこれも)、どちらも現実的ではないだろう。

チケットの買占めや転売なんて、今に始まった事ではない。

今回は辻井さんが時の人であり、元のチケット代が格安だったたけにニュースになったようだが、こんな事はしょっちゅう起こっている。

取り締まる法律が無いので、各劇団の友の会やアーティストのFC等が、会規として転売を禁止したり、転売した者は除籍すると言った措置で対応しているが、所詮はいたちごっこだ。

好きな音楽を聴く。好きな舞台を観る。そんな素敵でささやかな夢を食い物にするビジネス。何て荒んでるんだろうと思う。

公演当日、その席がどういう事になっているのかは誰にもわからないが、決して大きくは無い地方のホールで、聴きたいのに聴けない人が沢山居るコンサートの最前列が、人の夢を食い物にする連中のせいで空席になっている様子を想像すると、何とも言えないいやあな気分になってしまう。

でも、当日そこが埋まっている=転売成功! ってのも別の意味でいやあな気分だ。

1500円のチケットを2万円で買ってでも聴きたかった! と買った人は仰るだろうが、そんな純粋なファン心理を利用する人が居て、利用された人も『仕方無い』と言っちゃうなんて、酷い話だなあと思うのだ。

こういう話になると、きまって思い出す人が居る。

もう3年前になるのかな。コムちゃんオスカルのベルばらの当日券の為に、まだ暗いうちから並んでいた時、列の一番目に居た60代位のおばさん。

言っちゃあ悪いが浮浪者風の風貌で、コロコロの付いたトラベルバッグに、毛布やなんかの大荷物。薄汚れたビニールシートには、連れの、少し若い、でもやはり身なりはあんまり綺麗じゃない女性が横になっていた。

列の人数が増えてくると、おばさんが「ちゃんと真っ直ぐに並んで」「はみ出さないように」なんて、低い声でゆっくり歩き回って仕切っていた。明るくなってくると、ちゃんとした身なりの女性が「その節はお世話になりましたあ」と笑顔で近寄ってきて、おばさんに頭を下げていた。暫くすると中年の男性が来て、「いついつは東京だな」とか「私いついつから向こうだから」なんて、およそ舞台の内容とは関係の無い話をしていた。

開門になり、無事チケットを買う事が出来た私と友人が劇場内のカフェで朝食を取っていると、横のテーブルに、さっきのおばさんが一人で座った。

テーブルの上に新聞の集金みたいなごついポーチを出している。見るともなしに視界に飛び込んできたのは、ポーチの中の、数センチはある分厚い札束と、やはり数センチはある大量のチケットの束だった。

公演が終わり、ショップを見たりして外に出ると、翌日のチケットの為だろうか、まだ夕方だというのに、当日券窓口の前に、既に件のおばさん達が陣取っていた。


人気公演のチケット、しかも最前列等の良席は、普通ならなかなか手にする事は出来ない。

劇団やアーティストの後援会に入っていても抽選漏れは当たり前。当日券の抽選に並んでも、当たるのはほんの僅かな人。電話もネットも、開始時刻きっかりに繋がる人なんて、まず居ない。繋がったらもう売り切れている。にも拘らず、発売開始数分で、あっさり大量に入手できる人が存在する。それも、特定のアーティストだけでなく広範囲のジャンルに渡ってだ。

違法な事をしているに決まっている。

ネットや電話受付の場合、開始時刻前にログインしたり、回線を繋いだり出来る違法ソフトもあるというし、事前に関係者が転売目的の相手とわかって横流ししているとしたらそれも立派な犯罪行為だ。

だが、転売自体を取り締まる法律が無いのだから、自分が買った物をどう捌こうが勝手だし、どこでどう買ったか追求する手立ても無い。

ヘンなの。

あのおばさんも、お金とチケットを山ほど持っていたけれど、自分で舞台を楽しんだ事って、あるんだろうか。たまに自分でも見たりするわけ? 奇妙な図だ。


人気公演のチケットは、電話もネットも繋がり難いし当日券の抽選も長蛇の列だ。

勿論アーティスト自身の人気のせいもあるだろうが、見る気の無い連中が買わないでいてくれるだけで、もう少し買いやすくはなる筈だと思う。

見る気が無いなら買わないで欲しい。


人の夢を食い物にしていると、知らず知らずのうちに自分自身も大切な物をどんどん失っている筈だ。

でも、それが平気な人達なんだから、何を言っても通じないだろう。







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2009-09-23

こわいはなし。2

1に引き続き。。。。。

湊かなえと言う作家は、文章も上手いし引きこむんだけど、ふとした瞬間に、物凄く私的な、彼女自身が抱えている恨みつらみがドバっと出る部分がある。

それはほんの一文であるので、気付かない人は気付かないと思うのだが、気付いてしまうと随分と違和感があるし怖くて気持ちが悪い。それは、作品自体の持つ毒とか、キャラクターの描写とか、そういった技術的な事がもたらす物とは全く別次元の話だ。草書でしたためられた流麗な手紙の隅っこに、一箇所ドボっと赤黒いインクが飛び散っていて、それに気付きながらしれっと済ました顔でポストに投函しちゃうの。みたいな怖さ。


いい年した大人なら誰しも、『絶対許せない大嫌いな奴』ってのも存在するだろうし、辛い出来事や嫌な思い出っていうのもあるだろう。人によってはそういった負の感情が、何かを頑張ろうとする時の起爆剤や底力になっている場合もあるとは思うし、それ自体を悪い事だとは思わない。

しかしその個人的報復感情を、作品の中であからさまに露呈されるとちょっと引く。

『告白』の時にも感じたのだが、この人が、学校に対するクレーマー、所謂モンスターペアレント(モンペ)を書く時に、特にその兆候が顕著に現れる気がする。あと、無自覚に人を傷つける、一見いい人風な、でも実はたちの悪いインテリ風親子に対しても。作品全体は非常に客観的で静かな文体なのだが、そこの部分になると制御不能な感じで意地の悪い描写が次々出てきて、結果、そこだけ浮いてしまう。完璧ともいえるフィクションの中に、物凄くどす黒い個人的リアルが混ざっている。

以前石田衣良さんがあるインタビューで「ここにこの文章を入れたいから、と言う感じで無理にこじつけようとすると、作品全体のバランスが崩れてくる」という内容の事を仰っていたのだが、正にそんな感じだ。


ぐいぐい読んでしまうのは、だから、だ。この人の事を「女版、山田悠介」って呼ぶ人も居るみたいだけど、全然違うと思う。山田悠介の作品は設定が突飛で描写がグロいだけで、彼自身の私的な報復感情は出て来ない。文章も『騒々しく騒いでいる』とか、下手だし(笑) 私は彼の作品と湊かなえ作品には何の共通点も見出せない。

湊かなえ作品は、筆力のせいだけで読んでしまうのかなと思ってたけど、違うわ。何かこう、顔見知りの大人しい人とお茶してて、唐突に「私、誰それさんが殺してやりたいほど憎いんです」って、無表情で言われ、物凄くどす黒い過去の話(悪口付き)を聞かされて、「えええマジですか!?」「これ、帰るに帰れないじゃん(涙目)」みたいな感じなのね。おぞまし過ぎてつい最後まで話聞いちゃった、みたいな。


さて、作品としての『贖罪』だが、構成も舞台も『告白』ととても似ているな、と言う感想のみ。私的怨念ドバー! に気付いてしまってからは、ストーリーや登場人物への感情移入よりも、「この作者、誰に、何に対してこんなに憤ってるんだろう」って事の方が気になってしまった。

上手い人なんだけど、この「私的報復感情」に囚われている限り、他のカラーの物は書けないんじゃないかと思うが、ご本人がそれを望んでいるのなら、他人がとやかくいう事ではないだろう。

作り話ではなくて、ほんとに憎むべき人が居て、許せない事が根底にあるのだもの。

そりゃリアルで怖いわ。

まあ全て、私の個人的感想であり、妄想なので、全く違うならごめんなさい。それにこれは批判ではありません。小説というものには無限の可能性があり、無限の表現がある。私的怨念をぶつけまくろうが何だろうが、それが他人の猿真似でなくオリジナルで、文学として評価されるに値するものであれば、全然いいじゃん。


とにもかくにも湊かなえ作品は、読み終わった時、「この小説怖い」じゃなくて「この作者怖い」になります。

『少女』はまだ図書館での順番が回ってこないので、暫くお預けです。

湊かなえ・少女
少女
これも負の感情満載なんだろうか。そうなのか、そうだろうなあ。


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2009-09-23

こわいはなし。1

湊かなえさんの『贖罪』を読んだ。ネタバレになるような描写もあるので、あらかじめご了承のほどを。

湊かなえ・贖罪
贖罪2
可愛い表紙だけど中身は激鬱。

デビュー作の『告白』と同じく、事件現場は学校で、事件に関わる人達の独白で構成されている。

湊かなえ・告白
告白
凄い話です。

で、感想。

この作者、特定の、実在する人物や、過去、自分が体験した事への強烈な恨みを、書く事で発散させてるんじゃないかしら?それも、社会的な問題に対して、とか、誰もが知っている有名人に対して、とかではなく、「昔あたしを苛めた奴を許さない。この本に全部書いてやったからな」みたいな。

この人は筆力があるので素直に読ませる。『告白』はデビュー作とは思えないほどの出来だったし、今回の『贖罪』も一気に読んでしまった。この手の単行本なら2時間かからずに読めてしまう。あっという間だ。

でも、『告白』の時にうっすらと感じた違和感と怖さの理由が、『贖罪』を読んだ事ではっきり判った気がした。まあ、これは私が勝手に感じた事なので、もし全く違うのなら大変著者には申し訳無いのだけれど。

作家が個人的な感情や、自身が訴えたい事を作品に反映させる、というのは普通の事だ。

それぞれの作家が得意分野というものを持っているし、「この作品ではこれを訴えたかった」「ずっと感じていた事をこの作品に凝縮した」なんて事をインタビューで話していたりするのも珍しい事ではない。そしてその作家の「個人的価値観や経験」は作品全体の土台となり、一つ一つの描写に迫力あるリアリティを持たせる。


例えば、桐野夏生さんの作品は、一人一人の登場人物が、まるでそこで息をしているかのようなリアリティを持って存在し、人間の心の奥底を抉り出すような強烈な印象を残すし、岩井志麻子さんの場合は、さらりとした文章の奥底に、ゾッとするような怖さを秘めている。皆川博子さんに至っては、もうこの人は現実世界と小説世界が完全に入れ替わってイッちゃってる感じがある(褒め言葉です)。上手い作家は皆独自の世界観を持っているし、迫力ある筆致でぐいぐい読ませる。これらは彼女たちの作家としての技巧だけがもたらすものではなく、その人生経験や価値観が大きく影響している事は確かだ。

桐野夏生・OUT

これ無茶苦茶面白かった! 

岩井志麻子・ぼっけえ、きょうてえ
ぼっけえ
夜中に一人で読めません。

皆川博子・猫舌男爵
猫舌男爵
カリスマですね。ここは誰? 私は何処?(笑)

でも、湊かなえと言う人は、それとは違うんじゃないか、と思う。

続く。(ぇ)

いやなんか、記事をアップしたら表示がめちゃくちゃになってしまい。

とりあえず今日のところはこれで(笑)

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