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2009-12-05

ど根性紳士。

乙女のカリスマ、嶽本野ばらさんの新刊『14歳の遠距離恋愛』のサイン会に行った。

14歳
毎度の事ながら素敵な装丁



今回は、恐らく日本初の、いや、世界初のサイン会ではなかろうか? 書店ではせずに(正確には出来ずに)、各自が本を購入してからサイン会場に向かう、という形式である。


野ばらさんのサイン会は、前回までは普通に書店でしていた。といっても多くの作家のように整理券配布数に制限を設けない野ばら方式。来た人全員にサインして、一人ひとりとゆっくりお話し、いちいち席を立ってのていねいなツーショットでの写真撮影という、ファンにとっては夢のようなサイン会であった。私はもう5年位になるのかな、『ミシン2 カサコ』の時から参加しているけれど、本当に腰の低い方で、決して急かしたりしない。勿論スタッフの方もそうなので、終了するまでに何時間もかかる。

しかしここの所、サイン会場のスペースが隅に追いやられているなあ、という気はしていた。大阪も、以前は売り場スペースのとても目立つ所に机を設置し、新刊本も綺麗にディスプレイされていたが、前回なんか一番隅っこのトイレの近くで、パーテーションで仕切られた空間だったもの。。。


書店側にしてみれば、整理券配布数にも時間にも制限がないサイン会、というのは大変だと思う。

結構な人数が来るから会場整理のスタッフは確保せねばならない=人件費がかかる。

場所の確保、整理券の準備、作家&スタッフの受け入れ準備等仕事は増えるが、サイン会をしたからといってその本以外の本は売れるわけではない。

今回、野ばらさんは、自身のブログで「新刊が出るけれど、大人の事情でサイン会が出来ないかもしれない。でも何とか出来ないか交渉している」と書かれていた。

野ばらさんが妥協すれば、書店でのサイン会は可能だったはずだ。


整理券配布枚数は100枚限定。時間は2時間以内等、多くの作家のサイン会と同じ条件にして、書店側の大人の事情を呑めば、十分サイン会を開催してもらえるポジションには居る作家である。

でも、野ばらさんはそれをしなかった。



整理券の配布枚数に制限をつければ、サイン会に参加できなくなるファンが出てしまう。時間制限をつけて流れ作業にすれば、一人一人と言葉を交わし、心のこもった写真撮影をする事が出来なくなる。


今回私が参加した大阪のサイン会場は、梅田スカイビルの一室であった。


窓からは街が砂粒みたいに見えていた。


きちんと並べられた椅子に座るファン。BGMが流れ、花が飾られ、スタッフの人達が丁寧に案内し、静かに、誠実に、進行されていた。参加者には、野ばらさん自作の記念バッジも配られた。


開始から4時間ほど過ぎ、最後の一人へのサインが終わると、恒例になっている、野ばらさんからのご挨拶があった。

準備が大変だった、とは、彼は一言も言わなかった。代わりに、本を各自が買ってから会場に集まるというこの方式に対して凄く不安があった事。でも皆が来てくれて嬉しかったと仰り、「どんなに売れている作家でも、こんなにいい読者を持っている作家はいないと思う」と、静かに涙を流された。

この人は本当に華奢で物静かな人であるが、大変な紳士であり、ど根性の持ち主である。その個性的なビジュアルや、独特の作風ばかりが注目されがちな人であるが、私はやはり、この人の「めちゃくちゃ根性あるオトコマエなところ」が好きなのだな、と改めて思った。


最後のご挨拶が終わり、立ち上がって少し話された時、野ばらさんはバランスを崩して後ろにひっくり返ってしまわれた。

大きな花瓶に危うくぶつかる所で会場は騒然となったがご本人は「何で最後に笑いになるかなあ」「この靴だしね」(ヴィヴィアンのロッキンホースバレリーナ。物凄くソールが高い)と笑って仰っていたが、4時間以上も休憩無しでサイン→お話→席から立ってお花の前に移動しての写真撮影。。を延々繰り返し、実際物凄く体力気力を消耗されていたのだろう。全く、何と無茶な人だ(笑)



新刊が出るたびにサイン会があるのが当たり前になっている作家さんであるが、それ自体も異例の事だろうと思う。

いつもいつも、ファンへのお手紙として作品を書き、新刊が出る度にサイン会をしてくださる。

稀有など根性紳士作家、嶽本野ばらさん。


余談ですが。。。


今日は以前よりは髪を短くし、パーマをかけておられ、黒のふんわりシルエットの上下に赤いディオールのネクタイ。

誰かに似ているけど誰だかわからない。。。特に横顔が。。。野ばらさんて、特に誰に似ているというのは無いのだけど今日は似てる。。。。誰だっけ???? とずっとずっと気になっておりましたが、最後のご挨拶されている時にパーッと判ったのね。

武田真治!!

そっくり。


。。。ホント、似てたなー。


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