--------

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

2009-05-15

バイクと宝塚の類似性                ~プロは受け入れるもの~

バイクに乗り出してから気がついた事がある。



タカラジェンヌとバイク乗りは似てる。



何故って、どちらも「自分自身のあるがままをきちんと受け入れられなければ続けて行けない」世界であり、イメージの派手さ(バイクの場合はワイルドさだろうか)なんかとは裏腹に、実際は「孤独」なものだからだ。


宝塚歌劇は特殊な世界だ。劇団員は宝塚音楽学校の卒業生のみで構成されており、その音楽学校の受験資格も女性に限られ、受験できる年齢も中卒から高卒までの4年間に限られている。どんなに才能や美貌があっても、その4年間のうちに合格できなければ、音楽学校に入る事=歌劇団に入るチャンスは二度と無い。そして、厳しい倍率を潜り抜けて入学できたとしても、歌劇団の中でスターと呼ばれる立場に皆がなれるわけではなく、大半の者が、コアなファン以外には思い出してももらえないような状態で、いつの間にか辞めていく。


先月退団した星組のトップスター、安蘭けいさんは、音楽学校の受験に落ち続け、最終のチャンスの4度目でやっと合格した。同期の元花組トップ春野寿美礼さんや、元雪組トップ朝海ひかるさんらが「短期間受験スクールに通っただけ」「記念受験してみた」という状態で一発合格しているのとは対照的である。

入学してからの安蘭さんは早々にその才能を開花させ、首席で卒業。91年に「ベルサイユのばら」で大劇場での初舞台を迎え、その後雪組に配属される。それからは順調に番手を上げていき、瞬く間にスターへの階段を上っていった。

はずだった。


雪組でトップになるだろうと思われていたのに、2000年、星組に予想外の組替え。組内の番手は当時のトップ、香寿たつきさんに次ぐ2番手であったが、当時あった「新専科」から上級生スター達が特別出演(特出)する事が多くなり、舞台上での番手が下がってしまう。

宝塚の舞台での役付きは、トップスターが主役をすると決まっており、脚本までがトップスターに合わせて書かれたり選ばれたりする程の歴然としたスターシステム。それ以外の役は、それぞれの番手によって残酷な位はっきりと位置づけが決められていて、番手が下がるほど役の重要性も出番も低くなり、それはショーでの見せ場やフィナーレの階段降りにまで反映される。新専科から特出する上級生スター達の役付きはトップの次に重要な役で、安蘭さんは本来なら準主役を演じる立場なのに、自然と番手も役付きも下がってしまうという気の毒な事になってしまった。

2002年には同期の春野寿美礼さん、朝海ひかるさんがそれぞれ花組と雪組でトップ就任。香寿たつきさんが退団したら次は安蘭さんがトップだろうと多くの人が思っていたが、2003年、香寿さんの次にトップに就任したのは、新専科の上級生スター湖月わたるさんだった。

劇団はこの時同時に、安蘭さんに日生劇場での「雨に歌えば」の主役を告知している。(大劇場以外の劇場では、トップスターではない路線スターが主役を務める公演が行われる事がある。但しその場合、トップスターはその公演には出演しない)その次は「王家に捧ぐ歌」のタイトルロールのアイーダ役。何だか「ケーキは無理だけど代わりにお団子あげるから、ね!」みたいなおかしな感じだけれど、劇団側もそれなりに気を使ったのだなと思う。


安蘭さんは退団発表されてから後、いくつかのインタビューの中で当時の気持ちを率直に語っておられる。

「もうトップにはなれないかもしれないと思った時、これからはトップに執着するのはやめよう。それよりも、いつ退めてもいい位、与えられた役を生きようと思った」と。

安蘭さんは、音楽学校を受験した時からトップスターになるのが夢だったという。


2006年には同期の雪組トップ朝海ひかるさん。翌年にはやはり同期の花組トップ春野寿美礼さんが、それぞれトップ就任4年目、6年目で退団。

安蘭さんがトップに就任し、大劇場でお披露目公演を迎えたのは、自分以外の同期全てが退団した後の、2007年春だった。(06年年末にドラマシティで主演公演をしているが)

大劇場でのお披露目公演初日。終演後のトップスター舞台挨拶(通常、宝塚では舞台挨拶は初日と千秋楽しか行われない)で、安蘭さんはとめどなく流れる涙をぬぐおうともせず、真っ直ぐに前を向いてこう言った。

「夢とは、見るだけでなく叶えるためのものだと思います。 でも、たとえ叶えられなくても、叶えるために努力する道程が、私は夢だと思っています」

スター候補と言われ、首席で入団してから実に16年目。音楽学校受験の頃から数えれば、22年目にして、彼女はやっと夢を叶えた。

だがこれを、私は美談にするつもりはない。

客観的に見て、あまりに彼女は理不尽な扱いを受けてきたと思うから。16年目でトップと言うのはいくらなんでも遅すぎるし、その後僅か4作で退団となってしまったのも、就任が遅すぎたのと無関係では無いだろうからだ。

美しいのは「安蘭けいが苦労の末にトップになった事」ではなく(実力も人気もあるのになかなか就任させてもらえなかったと言う方が正しい)、「安蘭けいという舞台人が、どんな辛い状況に置かれてもそれを受け入れ、努力し続けてきた事」だ。


「受け入れる事」は、プロとして重要な事で、同時にとても孤独なものだ。

納得の行かない役付きであっても、プロとしてそれを受け入れ、全力でその役を生きる。

何故あの子は私より出番が多いんだろう。何故抜擢されるのは自分ではないんだろう。

嫉妬や悔しさ、やりどころの無い辛さが胸をよぎる事があっても、一つの舞台を作り上げる為に組の仲間達と団結し、お客様の前では常に笑顔で、夢の住人であり続ける。

とても孤独な戦いであり、強い人にしか出来ない事だ。


安蘭さんの退団の日、星組では他にも9名の退団者が居て、中にはバリバリの路線スターも居た。
安蘭さんのように、彼女達にもそれぞれ夢があり、物語がある。

退団理由の詳細は語られないのが常で、皆とても美しい表情だったが、「タカラジェンヌとしてのあの笑顔の陰で、一人の女性として沢山悩み、傷ついても来たんだろうな。皆偉いよ、本当に潔くてカッコいいよ」と胸がつまった。

宝塚はお嬢さん芸なんかではない。筋金入りの体育会系だ。根性が男前じゃないと務まらないのだ。


バイク乗りも、根性が男前じゃないと、カッコ良くない。

マナーを守る事。自分の技量を知る事。それを磨く努力をする事。バイクを、仲間を大切にする事。

そして、バイクに乗る事は、自由であり、孤独でもある事とわかっていること。

仲間と走りを楽しんでいても、自分のバイクのハンドルを握っているのは自分一人。マシンのトラブルも、自分の命も、全責任は最終的に自分で負わなくてはならない。

一人で走る事で気づく事も沢山あるだろうけど、誰かと一緒に走る事で、自分の技量の程度を思い知らされたり、今まで気がつかなかった事に気がつくようになったりする事もあるかもしれない。


何に乗ろう。何を着よう。どう走ろう。何処へ行こう。

結局は自分自身と向き合う道程って事だ。

体調を酷く崩し、精神的にも落ち込んだ時、私はバイクに乗る事が出来なかった。
乗れば少しは気分が晴れるかもとも思ったが、心身ともにこんな状態では事故を起こすのでは、と怖くて乗る気になれなかった。

人それぞれだろうが、私の場合、バイクに乗るには体調も含め、ほんの少し気合みたいなものが必要で、こういうところが「弱ってるからちょっと気分直しに」出来る趣味とは何だか違うなーと思う。バイクはこっちの心の中をお見通しと言うか、「愚痴ならいくらでも聞くけどさあ。ヤワな根性で安易にあたしを乗り回さないでくれるかなあ。もうちょっと気合入れてから出直して来てよねー」と言われる気がする。


真の乙女は男前。

タカラジェンヌは男前。

乙女なライダーになりたいものです。

にほんブログ村 バイクブログ 女性ライダーへ
にほんブログ村

スポンサーサイト

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

コメント

No title

えいまる様。
ご訪問ありがとうございます!

というか、リンク先の設定大変失礼致しました(>_<)修正させていただきました。申し訳ありませんm(__)m

●阪の教習所ネタ…実は鮭の滝登り以外、殆ど記憶に無いんですよね。
トラウマのあまり脳が勝手に記憶消去したのかもしれません(笑)

遊びに参りました

「49のソコヂカラ」主宰者のえいまるです。

…文章に引き込まれますわ。
オテンバさの中にも冷静な着眼があり、何度もうなずきながら全部読みきりました。
○阪の教習所ネタはもっと読みたいですね(笑)。


それから、僕のHPアドレスは
http://www3.to/a-maru
で、お願いしますね。
<%plugin_first_title>カレンダー<%plugin_first_title>
05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
<%plugin_first_title>最新記事<%plugin_first_title>
<%plugin_first_title>最新コメント<%plugin_first_title>
<%plugin_first_title>月別アーカイブ<%plugin_first_title>
<%plugin_first_title>最新トラックバック<%plugin_first_title>
<%plugin_first_title>bike<%plugin_first_title>
<%plugin_first_title>art<%plugin_first_title>
<%plugin_first_title>RSSリンクの表示<%plugin_first_title>
<%plugin_first_title>ブロとも申請フォーム<%plugin_first_title>

この人とブロともになる

<%plugin_first_title>QRコード<%plugin_first_title>
QRコード
<%plugin_first_title>検索フォーム<%plugin_first_title>

FC2Ad

Powered by FC2 Blog

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。