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2010-10-04

トーマの心臓。

萩尾望都さん著の名作。トーマの心臓。

トーマの心臓

少女漫画、と言い切ってしまう事など到底出来ない素晴らしい作品です。


舞台はドイツの全寮制ギムナジウム(男子校)。皆のアイドル的存在だった美しい生徒、トーマ・ヴェルナーが、陸橋から投身自殺をするショッキングなシーンから物語は始まります。

。。。。。。。。。。


ユリスモールへ さいごに


これがぼくの愛


これがぼくの心臓の音


きみにはわかっているはず


。。。。。。。。。



トーマが想いを寄せ、死の直前に遺書を送っていた優等生、ユリスモール(ユーリ)。ほどなくして転入してきた、トーマと瓜二つの少年エーリク。そして、死んでしまったトーマからの告白と、誰にも言えない忌まわしい過去の出来事に苛まれるユーリをそっと支えようとするオスカー。


同性愛的な表現も含まれて居ますが、今流行りの安っぽいボーイズ・ラブ等とは全く異なるこの作品は、文学作品として評価されていいでしょう。


少年たちの心の奥底にある密やかな憧れや不安。画の美しさもさる事ながら、人間描写の奥深さには感嘆するばかりです。


特に物語の中心人物である、ユーリ、オスカー、エーリク、それぞれが人知れず深い悲しみを抱え、悩み、苦しみながらも、やがて人生に微かな光を見出していく様子には、胸が熱くなります。



神からの試練というには、あまりにも辛い苦しみを乗り越え、最後、ユーリはボンの神学校へと旅立ちます。


それを見送るオスカーとエーリク。


別れ際、エーリクから「トーマも読んだんだ」と贈られた本をユーリは車内で開きます。

そしてページの間に、生前トーマが書いた自分宛ての、出される事の無かった詩(恋文)を見つけます。


トーマの生前、彼の気持ちに気付き、自分もトーマに惹かれながらも、その想いを人前では拒絶し続けていたユーリですが、最後には、その手紙を大切に読んだのではないか、と思わせる描写で終わっています。



こういうしっとりとした、「読ませる」漫画はいいですね。子どもにはわかりにくいかもしれませんが、読み手が年齢を重ねるごとに、新しい発見のある物語だと思います。


萩尾望都さんといえば、『ポーの一族』も有名で、これも何度も何度も読みました。

ポーの一族


この『トーマの心臓』や『ポーの一族』はじめ、萩尾望都さんの作品には、聖書の言葉や信仰に根ざす精神世界が描かれる事が多く、これは池田理代子さんの作品とも通じるものがあります。物語の舞台がドイツ等外国のお話なので、必然的に、というのもあるでしょうが。。。ギムナジウムでは、聖書の朗読の時間、なんてのもありますし。


しかしそれを、単なる「設定」としてでなく、ここまで深く掘り下げて描き切る力量は本当に素晴らしい。ユーリが神学校に行こうと決心する所も必然としか言いようがなく、複雑な人間模様や、それぞれの心の動きが破たん無く描かれています。



『トーマの心臓』のラストはハッピーエンドではなく、「救い」なのだと思います。


他の作品も読み返してみたくなりました。





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