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2013-12-01

夢のような人生。

宝塚雪組公演 Shall We ダンス? を観劇。

雪組

実力派スターまっつ(未涼亜季)の怪我による全日程休演というとんでもないアクシデントの中、初日の幕が開いた大劇場。

正直どうなるんだろう!? という不安の方が大きかった。主役は冴えないサラリーマンだし、どんな風にタカラヅカ、な作品に仕上がっているのだろうか、等々。。。

しかしそんな杞憂はあっという間も吹き飛んでしまった。

これ、稀に見る大当たり作品だと思います。

まず、主役を演じるトップスター壮一帆が素晴らしい。

お披露目のベルばらでも思ったのだが、この人は本当に凄い人だ。
壮君がトップで本当に良かったと、心から思える。そんなスター。

人気も実力もありながら、トップ就任までとんでもなく時間がかかった所も、真面目で努力家で優しい人柄も、パッと見、そう大柄でもなく華奢な見た目もとうこちゃんにそっくりである。

原作映画は名作であるが、お話自体は地味だ。
舞台は外国という事にはなっているものの、原作そのものを忠実になぞっており、主役は平凡なサラリーマン、ヘイリー。

周囲は原作同様、なかなかに濃いメンツが揃っては居るが、ヘイリー自体は真面目で大人しいサラリーマンと言う設定なので、衣装は終始地味なスーツか、家でのシーンは焦げ茶色のカーディガンという、オジサンファッションそのもの。

唯一華やかな見せ場であるコンテストのシーンで着ている競技用のゼッケンのついた黒燕尾が一番派手といえば派手。そんな人物。

これを宝塚でするとどうなるか。

演じるトップスターに相当な力量が無いと務まらない。

壮一帆は、地味なスーツを身に纏った平凡なサラリーマンヘイリーが、ダンスと出会い、生き生きと自分の人生を彩っていく様を見事に演じ上げ、誰もがとんでもなくキラキラした夢のような人生の主役であるという事を教えてくれた。

脚本も非常に洗練されており、暗転に次ぐ暗転とか、カーテン前の長い説明台詞で場を繋ぐといった、もはや老害でしかないメンツのものとは違い、そう多くは無い場面場面を非常に丁寧に描いており、イライラせずにお芝居に集中できた。

セットも洒落ていたしね。電車がホームに滑り込んでくるところとか、ヘイリーの自宅からダンスホールへの場面転換なども、工夫されていて無理が無いからスムーズに感情移入できる。

こういう脚本が書ける人。そして、こういう芝居が出来るスターを劇団は大事にしてほしいと思う。

大劇場のロビーにあるモニターで、トップスター壮君のインタビュー番組を流していて、思わず全部見てしまった。

トップになれないまま退団していった人達の気持ち。トップになる前、もう自分も退団しようかな、とまで思いつめたこともあった、と、静かな口調で語っていた。

もう何年も前、私は花組の春野寿美礼(おさちゃん)のファンだったのだけど、当時の2番手が、後の花組トップスターとなる真飛くん(既に退団)で、3番手は壮君と、今回休演となってしまったまっつと、退団してしまったみわっち(愛音羽麗)が団子状態と言う感じだった。

壮君もまっつもみわっちもそれはそれは芸達者で歌ウマさんで、正直あの時のあの団子状態は今でも腑に落ちない。なんかもう、あの3人の団子状態並びはいつもいつもで、実力があるのに無駄遣いされてる感が物凄くて。

まっつが雪に組替えになり、みわっちが退団して、壮君は2番手として同期のらんとむをトップとして迎えることとなり。

壮君は、この頃の自身の心境についても、それはそれは正直に答えていた。

「みわっちが、そして、一緒に頑張ってきた星組の涼紫央が退団すると聞いた時、悔しくて泣きました」と。

そして自身も、辞めることも考えた事があった。だからこそ、トップになれないまま辞めていった人達の気持ちを考えると、今自分がトップである、という事に物凄い責任を感じるし、頑張らなくてはいけないと思うと。

劇団の抜擢方針というのは、正直、全てがクリアではない。

何故この人が? って人がトップになることもあれば、何故この人がって人が、理不尽な扱いのまま辞めていく事も多々ある。

すずみんなんて退団公演なのに、2番手の羽を背負わせて貰えなかったし、今度退団する宙のともちんだって、よりにもよって風去りでの退団で、本当に酷い扱いだし。

そんな思いは、ジェンヌ自身にも当然あるわけで、壮君も、沢山悔しい思いをしてきたに違いなく、だからこそ、「トップだから大変だとは思わない。それが醍醐味だと思う」「タカラヅカに入ってきた、という事は、みんな目指すものは一緒のはず。だからこそ、下級生達のキラキラした瞳や笑顔を消したくない、曇らせて欲しくないなって思う」と言った言葉がさらりと出てくるのだろう。

「自分は何でも小器用にこなせるタイプではなく、コツコツ努力してやっと出来るタイプなので」と言っていたが、正に彼女は努力でここまで来た人なんだなと思うし、だからこそ、カネコネ抜擢だのと言われる人達のように、路線スターというポジションに何の緊張感も責任感も無くのほほんと胡坐をかくことなく、今でも努力し続けているのだろう。

だからこそ、下級生達も、壮さんがトップだから。という気概を持って舞台に臨めるのだろうし、まっつの休演という大穴を必死で埋めて、あんな素晴らしい舞台を完成させる事が出来たんだと思う。

来年には、同期のらんとむが退団してしまう。

彼女もまた、何のバックも無い状態で、本当に、努力努力でトップに上り詰めた人。

壮君も就任が随分と遅くなったが、まだまだ辞めないでほしい。

インタビューの後半、壮君はこう言った。

「タカラヅカが100年続いたっていうのは凄い事で、これはもう、ただただファンの方がいて下さったから。それを忘れてはいけないと思います」

残念ながら、96期の裁判やその後の流れ、各組の抜擢人事を見ても、劇団の上層部には、「ファンの方」なんてどうでもいい、という姿勢の人が沢山居るように思えるのが今のタカラヅカだ。

経営陣や、学芸会みたいな脚本を書いている老害さんにこそ、聞いてほしい言葉だと思った。

若いスターを育てるのは大切な事ではあるが、やはり男役10年と言われる宝塚には、キャリアの長い、実力のあるスターが絶対に必要だし、そういう人にこそトップになって欲しい。

今回のヘイリー役は、父親役でもあるので、ただ若さとキラキラオーラだけのトップが演じても、ここまでの感動は与えられなかったと思う。

男役という芸がどれほど重みのあるものであるか。

大人の男を演じられるジェンヌがどれ程大切であるか。

100年の歴史あるタカラヅカだからこそ、一時的な人気取りや話題作りではない人事をしてほしいと切に願う。

劇中、ヘイリーの台詞にこんな言葉があった。

「夢のような人生かあ。。」

平凡なサラリーマン。郊外に家を買い、妻と娘の3人暮らし。毎日通勤電車に揺られる変化の無い日常。

だが後にダンス教室仲間となる、同じ職場の冴えない男性ドニーからは、「奥さんとお子さんがいて、郊外に家を買ったなんて、僕から見れば夢のような人生ですよ」と言われ、ヘイリーは驚くと同時に納得もし、だが何かが物足りないという事にも気づくわけだ。


夢のような人生。


タカラヅカのトップスターと言う人生は、凡人から見れば正に夢のような人生であるが、壮一帆と言うスターは、サラリーマンヘイリーの生き方を通して、誰の人生も、ある人から見れば夢のような人生であり、人は皆自分自身の人生の主役であることを教えてくれた。

同時に、他人から見れば夢のような人生であっても、やはりそこは人間で、一見どんなに華やかな暮らしをしている人であっても、悩んだリ苦しんだりといった日常があり、それもまた人生である、という事も。

ヘイリーはダンスと出会い、自身の人生を彩ってゆく。

観終わってから、静かな感動と、温かな気持ちと、前向きに頑張ろうという元気をもらえる素晴らしい作品だった。


私がこれまで見た宝塚作品で一番好きな作品は、星組の湖月わたるの退団公演『愛するには短すぎる』なんだけど(贔屓は当時2番手で、次期トップが確定していた安蘭けい・笑)、この壮一帆主演の『Shaii we ダンス?』は、それに匹敵する名作だと思います。

まっつが東京で復帰して、それがDVDになったら買っちゃうかも。。。


2部のショーは、ひたすらお祭り気分のお正月公演にふさわしい華やかさで、これまた良かった。

なんかもう、手あかのついた再演物とか学芸会脚本の老害物はもうお腹いっぱいだわ(笑)

1部は洗練された新作のお芝居。

2部はこれぞタカラヅカ!! なショー。

このオーソドックスな、でも新作2本立て!! がやはり一番しっくりくるし安心できるし楽しめる。

一本物でもね、やはり最後は羽でしょ羽!!

ベルばらも風去りも、フィナーレで羽背負わないもんなあ。

タカラヅカ100周年。

創始者小林一三先生の「清く正しく美しく」の原点に返り、ファンと、一生懸命努力するジェンヌが報われる舞台作りを切に願います。




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