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2013-12-22

爺さんに口出しされましたか?

ブログのカテゴリに『壮一帆』を追加致しました。

はい。

ヅカ歴40年近くにして壮ちゃん落ちしました(←遅いっ!!・笑)。

それも先日、『Shaii we ダンス?』 2回目の観劇をお友達としまして、そこからまあちょっとありまして(大事な気持ちなので他人には言えません、あ、聞きたくもないですか壮ですか)、一気に壮落ちでございます。

ヘイリー。

雪組のトップスター壮一帆と言えば、宝塚歌劇80周年に音楽学校入学。100周年を迎えるこの年にトップという、筋金入りのベテラン芸達者。

はい、存じ上げておりましたよ昔から。

実力あるのにずーっとずーっと3番手だった頃。
雪組のフェアリートップコム姫と一緒だった頃も、花組の歌ウマトップオサ様と一緒に居た頃も。

やっとこさ2番手昇格し、真飛さんの次にトップかなあと思っていたらまさかの足踏みだった事も存じ上げております。

長い長い苦難を経て、古巣の雪組にトップスターとして組替え。大劇場トップお披露目公演は、もはや植爺の罰ゲームでしかないベルサイユのばら。正統派の2枚目、フェルゼン役。

ベルばら恒例の酷い脚本と演出。おまけにベルばらのフィナーレパレードの階段下りは、昔からトップスターの象徴である羽も背負わないと相場は決まっておりますので、トップお披露目公演であるにもかかわらず、羽無しの階段下りという苦行扱い。

でもそこは壮一帆。

彼のフェルゼンは本当に美しく、奥深い熟練の演技。酷い脚本も突っ込みどころ満載の演出も、黙って立っているだけでねじ伏せてしまうという、とてつもないフェアリー力。

羽の無いお披露目階段下りも、その暖かな人柄が滲み出る素晴らしい笑顔と気品溢れる舞台姿で、ああ、この人がトップになって本当に良かったと心から思いました。

でも落ちなかったんだなーその時は(笑)

何故だろう?

何故かわかんないですが、今頃壮一帆に落ちて、お友達とワーワー言っております。

さて、前置きが長くなりましたが(はい、これ前置きです。本題はここから!)

初見の時も思ったのですが、今回の宝塚版『Shaii we ダンス?』は、脚本も演出も本当に素晴らしく、感動したのですが、一点だけ物凄い違和感を感じた部分があるんですよね。

これ、脚本書いた小柳奈穂子さんのセンスじゃないよなー。多分仕上げる時点で、毎回毎回性懲りも無く学芸会みたいな脚本書いてる爺さんから直しが入り、(正式には余計な口出しをされてしまい)こんな事になっちゃったんじゃないかなーっていう場面。

主人公ヘイリーが、駅のホームからダンス教室の窓辺を見上げ、講師のエラの姿に惹かれるシーン。

この前振りとして、カーテン前(といってもベルばらよりは遥かにオサレなカーテンというか演出ではありますが)でヘイリーのソロがあるんですが、その中にエラを象徴する歌詞としてこんなフレーズがあるんです。
。。。。。。。。。

あの窓の向こう佇む人 ビルの上のラプンツェル
閉ざされた扉を開いたなら
抜け出せる? リフレイン
。。。。。。

で、ダンス教室に足を踏み入れる場面でも、エラを見て思わず「ラプンツェル…」と呟くシーンがあるんです。


いやー。





無いわ―。





ダサ過ぎるっ!!








これだけスタイリッシュで、尚且つ心温まる脚本が書ける人なのに、よりにもよってラプンツェルなんて言わせるか? 歌詞に入れるか?

これ、ヅカファンなら誰しも経験している悪夢なんですね。こういうところ。
何でもかんでも歌やら台詞やらで説明しちゃう。特にカーテン前で一回説明要素の入った歌詞の歌を歌わせて、場面が変わったら更に台詞でそれをゴリ押しするダサさとしつこさ。この既視感。

これ、モロ植爺のセンスだよねえ!?

もうこのラプンツェルだけがどーにもこーにも芝居の世界観にも壮一帆の素晴らしすぎるヘイリー像にも全く馴染んで無くてさあ。しっとりした映画見てたらいきなりわけわからんおバカなCMが流れ出した、みたいな物凄い違和感だったんですよね。


仕事帰りにダンス教室の女性に惹かれるシーンは、確かに難しい。

嫌らしくなってはいけない。決してスケベ親父になってはいけない。

でも、惹かれなければならない。

窓辺の美しい女性。

何だか気になる。

ダンスかあ。

気になる。

平凡な日常の中に、すうっと流れ込んでくる微かなときめき。

恋愛感情でもない。

性的なものでもない。

でも確かにときめいている。


この難しいシーン、映画では役所広司さんが表情一つで見事に演じられており、勿論ラプンツェルなんて陳腐な台詞も飛び出しません。

脚本家小柳奈穂子さんも、そんなおかしなセンスは本来持ち合わせていない筈なんです。そんなセンスの持ち主には書けないですよ。あんないい脚本。

でも、ここはタカラヅカ。

爺さんから。。もしくはその流れを汲むスタッフ連から直しが入ったか、こういう要素を入れてくれ、と要求されたかのどちらかではないの?

「このシーン、何故ヘイリーがエラに惹かれるのか、書ききれていないんだよ。やはり宝塚なんだから、夢やロマンが無いとねえ。窓辺の美しい女性なんだから、ラプンツェルなんてどうかね。無機質なビルの上に閉じ込められたお姫様。これで行こう!」

壮大な妄想でございますが、あながち間違いでもないのでは?

しかし100歩譲ってメルヘン童話ネタ入れ込むとしても、よりによってラプンツェル持ってくるとは単純すぎやしませんかね。

ラプンツェルのお話と言えば、ディズニーアニメが有名で、劇中に出てくる歌もセリフもこれをイメージし、塔に幽閉されたかわいそうな髪長姫って事なんでしょうけども、童話初版のお話は、自室に夜ごと王子を招き入れて関係を持ち、妊娠してしまうお姫様のお話ですし。。(ドン引き)

それに、そもそもラプンツェルとエラって、何の共通点も無いよね? エラはいい大人だし。

メルヘン童話ネタとリンクさせるなら、まだ白鳥の王子(野の白鳥、とも言いますね)のエリサ姫の方がしっくりきますね。アンデルセンだし。Hな要素も一切ありませんし(爆)

最後に白鳥が王子の姿に変わるところが、ヘイリーをはじめとするダンス教室の冴えない生徒達の変貌ぶりともリンクしますしね。まあこれもかなり無理やりですが。


でもそれにしたって、「そういう事」を歌詞に入れちゃったり、ヘイリー自身に言わせちゃだめなんですよ。キャラがブレるから。

小柳さんの描くヘイリーは、女性を見てラプンツェルなんて言わない男性で、そこがいいんだし、壮一帆はダッサイ説明台詞なんか言わせなくても、視線1つ、仕草ひとつできっちりと心の繊細な動きまで演じきれる力のある役者なんだから。


どーしてもどーしてもラプンツェルだのを台詞として言わせたいなら、駅のホームで、別の男性にそれとなく呟かせるとかね。

芝居の魅力っていうのは読書と同じで、役者が表現するものを、観客がそれぞれの感性で更に味付けして受け止める事が出来る事でもあると思うんですよね。

想像力を掻き立てさせるお話。

これからどうなるんだろう!? っていうワクワクや期待感。ドキドキ、色んな感情。

宝塚の場合、更にそこに贔屓へのトキメキや夢も加わるのかな。

でもそれは、歌や台詞にメルヘンチックなものを不自然に入れ込んだり、わざわざ説明台詞を用意しなくても可能なわけで。

いい脚本というのは余計な説明は極力省いていているものだし、いい役者は台詞が無くたって脚本以上の物を観客に伝えきる演技をするもの。

脚本家小柳奈穂子さんも、舞台人壮一帆も、十分それだけの力を持っているプロ。

ただでさえ、宝塚100周年=結局は植爺祭りかいっ!? みたいな公演ラインナップその他諸々にゲンナリしてるんですから、力ある人の新作にまで、何でもかんでもセリフや歌で説明させる植爺芝居の要素を入れさせたりするのは、もう止めて欲しいです。

昭和のベルばらは確かにタカラヅカを代表する作品ですし、ベルばら=タカラヅカ、として世間に認知されているのは事実で、それは大変大きな功績だとは思います。

でもねえ。

劇団のの若返りか何だか知らないけど、人気も実力もある生徒が肩叩きされたり、なかなか抜擢されなかったりと言うおかしな人事がまかり通っていますでしょ。

じゃあね、自身は何の進歩も研鑽もせず、学芸会みたいな脚本を書いている老害作家や、コントみたいな演出をしている腰巾着スタッフも入れ替えたらどうですかと思うわけです。

今回の雪組公演。

普段よりも男性のお客さんが多いなあと言う印象でした。

いい舞台、というのは性別関係なく人を魅了します。

こういうしっかりした脚本で、きちんとした芝居の出来るスターが主役である演目は、初心者の方を誘いやすいですしね。リピーターも多かったのではないでしょうか。私も初見終わってすぐ、もう一度見たい! となりましたからね。当時は贔屓も居なかったのに(笑)。

東京はどの公演もチケット取りにくいみたいですが、ムラでは平日なんか、結構チケット余ってる事が多い。
でも客の入りが悪いのは、大劇場が首都圏から離れた場所にあるからでもなく、ましてや出演者のせいなんかでは決してありません。

宝塚版『Shall we ダンス?』は稀に見る名作ですし、主人公ヘイリーは間違いなく壮一帆の当たり役。

だからこそ、「ラプンツェル」の一言は、残念でなりません。


PS
誰にも口出しされておらず、ラプンツェルの部分も完全に小柳さんのオリジナルでしたらすみません。。(それはそれで驚愕)

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