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2009-07-18

登山もバイクも気軽な趣味ではない。

登山が気軽に始められる趣味だなんて、誰が言い出したんだろう。

大雪山系トムラウシ山での遭難事故。10名もの方が亡くなった。

このブログには深刻な記事は似合わないのだが、今回はあえて書かせていただく。というのも、まだ20代の頃、登山をしていた事があるからだ。

当時から、登山=中高年にも気軽にはじめられる趣味、という動きはあって、健康づくりなんかのために40代50代を過ぎてから山に登り始める人も多かった。若い人の中にも、手軽に始められて心身ともに良い、と言う人は多く、何処に行っても結構な賑わいであった。

でも私、当時から、登山=気軽、なんて、思った事、無い。でも気軽って思っている人が多くてびっくりした事多々あり、であった。

友達と行った富士登山のバスツアー。
5合目から登り、途中、山小屋で休憩というコースだったのだが、何と、ガイドの男性自体がちゃんとした登山装備をしておらず、Tシャツ姿。手も顔も真っ赤に焼けてしまい、途中で断念。他のメンバーも体力的にも装備的にもついていけず、きちんとした装備をしていた私と友達だけが頂上まで上り、後の参加者は皆途中下山となった。(これホントの話。信じられないでしょ?)

他のグループにも、サンダル履きの人やワンピースの子どもまで居て、足から血を流したりわあわあ泣く子どもを叱り付けていたりして呆れた記憶がある。

その後も知り合いのグループに参加させてもらったりもしたが、ベテランと言われる人が居ても、山の天候の変わりっぷりの恐ろしさというのは凄いもので、休憩を何処で取るか、進むか戻るかと言った判断は、メンバーの数が多ければ多いほど調整も難しくなるので、グループ行動が苦手な私は、せいぜい親しい人との3人程度のグループで、ハイキングコースに近い山しか登らない、という結論に至った。二人、というとこれまた何かあった時の事を考えると危険なので、3人~5人位までがちょうど良かった。

登山は気軽な趣味じゃない。危険な趣味だ。

富士登山のツアーなんて、ホントに気軽に組まれているけれど、実際、あそこは落石による死亡事故なんかも起きているし、とんでもなく危ない山。真夏とはいえ場所によっては雪や氷が残っているし、岩場も多い。素人が迷ったりはぐれたりしたらまず助からない。大雪山系列も同じで、到底高齢者や初心者がお気軽に登れる山なんかではない。

事故当時、トムラウシ頂上付近では、風速20メートル以上の暴風雨で、気温は氷点下に近かったのではといわれている。
こんな事は滅多に無い、と言ってしまえばそれまでであるが、8時間近くも尾根を縦走せねばならず、しかも設備の整った山小屋なども無いので、万が一の悪天候になれば、長時間、その暴風雨の中を歩き続けなければならない。生き残った人の証言では、20キロ近くあるリュックサックを背負っていても吹き飛ばされてしまい、雨風の吹き荒れる岩場をはいつくばって必死で進んだと言う。

こんな事、それこそエベレストなんかの登山隊並みの装備とチームワークと体力が要求される状況だ。きちんとした装備と言っても夏山仕様。ベテランとはいえもうご高齢のツアー客が、何時間も、大人数引き連れて歩き続けるなんて不可能だ。

今回のツアーは経験者ばかりの集まりだったというが、それでも言ってみれば寄せ集めの出来合いパーティーで、それぞれのコンディションや性格を知り尽くして徹底した計画を立てて登るチームとは違う。運が悪かったというだけでは済まされない。

ベテランといっても、若い頃とは体力も判断力も違う。なまじ経験があると恐怖心が鈍ってしまう場合もあるので、ベテランが居れば危ない山も安心という神話はアテにならないと私は思っている。キャリアがあるという事は、それだけ年をとっているという事でもあり、特に40歳を過ぎると、ちょっと気を抜くと、先週出来ていた事が今週は出来ないなんてオッソロしい体力低下を始める年代なので、全くアテにはならないのだ。


かといって、私は決して亡くなった方達を責めているのではない。責めるとしたらツアーを組んだ会社側だ。こんな山は、ツアーを組むようなお気軽な山じゃないし、ツアーを組むならば、それ相応のキャリアを証明する書類を提出させるとか、出発直前に体力テストをするといった参加者のふるい分けが必要だし、頂上付近で暴風雨に巻き込まれた時にどうするかといった緻密な計画と装備が必要だ。大げさに思われるかもしれないが、「それくらいしてちょうどいい」危ない山である。

大雪山系列に登ろうかという位だから、皆さんそれぞれキャリアを積んでおられて装備も万全。自信もあっただろうが、じゃあ、「風速20メートル、気温0度の暴風雨の中を、8時間歩き続けられる人」といわれて、「YES」と即答できるキャリアと体力の持ち主なんて居たんだろうかって話だ。

こんな事、滅多に起こらない。

そりゃそうだろうが、「ごくごくたまにだが起こることがある」のが、山だ。

子どもの遠足で行くような山だって、先日事故があったように、脚を滑らせて滑落すれば死ぬし、皆とはぐれてしまったら、夜には気温がぐっと下がって命の危険に晒される、それが山なのだ。特に大雪山系列は、遭難や死亡事故、過去にも何度も起きている。万が一に備えてテントなどを持っていくグループもあるんだろうけど、風速20メートルの中で、素人がテント、張れますか?  リュックを置いて中身を取り出す時点で吹き飛ばされて死にます。 暴風雨の中でシート状のものを広げるってのは、下手すりゃそれがパラシュート代わりになってしまうので、自殺行為なのだ。

人は自然には絶対に勝てやしない。
「まあ大丈夫だろう」なんて、ありえない。

気軽に始められるのは登山じゃなくてハイキングで、それもせいぜい、「みんなとはぐれて一夜を明かすことになってもまあ死なずに居られるレベル」の規模と気候の所限定だろう。登山はハイキングとは全く別物で、決して延長線上にあるものではないと私は思っている。


さてバイクだ。

ここの所暑いせいもあるのだろうか、バイクでも随分と軽装の人が目立ってきた。

特にスクーターの女性の中には、ひらひらしたチュニックやスカート(!)をなびかせて乗っている人も居て、危ない事この上ない。

また、ノーグローブやサンダル履きの人、半ヘルの人もたまに見かける。
雨が降ってきてもレインスーツを積んでいないのか、びしょぬれノーグローブ半ヘルという罰ゲームみたいな服装で乗っている人も居る。

逆に冬場になると、今度はマフラーやストールを車輪に巻き込んでの死亡事故や、手がかじかんでハンドル操作を誤るなんていう、洒落になんない事故も起きている。

バイクは趣味で乗るのは楽しいし、移動手段としても、マシンによっては車よりも燃費もいいし経費もかからないので便利な乗り物だけど、時速数十キロで、生身の人間丸出して走っていると言う、よく考えてみれば随分と無謀な乗り物でもある。

自分はスクーターでトコトコ走っているつもりでも、同じ道路上を巨大な鉄の塊である車が60キロだの80キロだの出して走っている。軽装で転んだらまず助からないし、取り返しのつかない後遺症が残る危険性もある。



ヘルメットメーカーのアライは、お椀型ヘルメットを絶対に作らないと言うポリシーを掲げているが(詳細についてはアライサイトのアライニュース1996年記事にある)、それくらい、道路ってのは怖い場所だし、バイクは危険な乗り物なのだ。

じゃあどうすりゃいいんだよ、ごちゃごちゃ五月蝿いなあ、避けようが無く巻き込まれる事だってあるじゃん! と思う人も居るだろうけど、そこで、大事なのは自らの「勘」だ。

人間の勘、というのは、結構な確率で当たるものだ。

バイクに乗る時に『危ない(無理)と感じたら止まれ(やめろ)』ってのがあるけど、これは登山にでもなんにでも当てはまる。

今回のトムラウシ登山でも、何となく雲行きが怪しくて『怖い』と感じた参加者が居たと言う。
このとき、個人ならば自らの意思で引き返す事が出来ただろうが、グループツアーとなるとそうはいかないのが悲劇材料の一つだったのではないだろうか。「行く派」と「辞めとく派」に分かれた場合の対処は本当に難しいが、山の天候は命に関わるので、「行かない勇気」はとても大切だ。

バイクにしたってそうで、「何となく体調がすぐれない」とか「なんか天気が不安」なんて時はやめておくに限る。状況的に無理でも、雨が降ったら帰りはバイクを置いてタクシーに乗る位の気持ちで居て欲しい。

登山雑誌や経験者のサイトには、美しい写真と楽しい情報が溢れている。
バイク雑誌やバイクサイトも同じで、次はここに行きたいな、こんなマシンに乗りたいな、と、夢はいくらでも膨らむ。

だが自然が牙を剥く時、人間は悲しいほど無力だ。
雨、風、暑さ、寒さ、落雷、雪。

ごく当たり前に起こる天候の変化も、それを侮った時、バイク乗りにも登山客にも、「命を差し出せ」と牙を剥いてくる。

今回亡くなった方々が、ツアーに申し込んだ時、どれほど山の楽しさ、美しさに心ときめかせ、楽しみにしていらしたかと思うと切なくなる。

これを教訓に、旅行会社はツアーの組み方を根本から考え直して欲しいし、登山とハイキングをごっちゃにするような世の中の風潮も改められればと思う。

私はなんでもない2車線の田舎道を走っていた時、前方から無理に追越をかけてセンターラインをはみ出してきた大型トラックと、危うく正面衝突しかけた事がある。

相手は私に全く気付いておらず、自分の前の軽自動車を抜きたいが為に、追い越し禁止の道路のセンターラインを反対車線に飛び出してまで抜こうとしたのだ。

その時の光景は、今でもはっきりと覚えている。

「死ぬんだな」と思った。

相手の運転手が、私に気付き「しまった」という顔をした。

服装もきっちり覚えている。ああいう状況になると、映像がスローモーションになるのだ。

運転手は必死でハンドルを切り返し、すぐ目の前を、私の背丈ほどもあるトラックの後輪が横切っていった。

後になって、自分がどれ程危険な乗り物に乗っているか、道路がどれ程危険な場所であるか、改めて考えさせられた。そして、それでも乗ると決めた以上、自衛できる部分はとことん自衛しなくては、と肝に命じた。

命のかかった趣味となると、自ずとそれとの関わり方は解って来ると思う。

それで商売するなら尚更だ。

人は自然に勝てない。

お伽話の中で、北風と太陽は喧嘩していたけれど、人間は部外者でしか無かったように。

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