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2009-09-05

裁判員制度 1                  ストップ。セカンドレイプ裁判。                 

今日はかなり重い題材について書く。

おちゃらけたこのブログには似つかわしくないとは思うが、やはり書こうと思う。

4日。裁判員制度が導入されてから初めての性犯罪事件についての判決が出た。求刑15年に対して減刑無しの15年。正直ホッとした。何故なら被害に遭った女性が二人とも勇気を振り絞って意見陳述し、「出来るだけ長く刑務所に入って欲しい」「報道されて辛いが、自分がどんなに酷い目に遭ったかを、判って欲しくて勇気を出して来ました」と述べていたからで、にも拘らず弁護側は「5年相当が妥当」「被告は両親が離婚して(不運な生い立ちである)」等と言っており、これで少しでも減刑されたら被害者は全く救われないという思いがしていたからだ。

反省していると口にしていたのだから、被告は控訴などせず、大人しく受け入れるべきである。被害者は精神的にも深いダメージを負っており、被害の性格上、これからの恋愛や結婚にも事件が甚大な影響を与える事は必至。生涯苦しみを背負って生きていかねばならないのだから、毎日ご飯が食べられて、病気になれば税金で治して貰える、そんな刑務所生活を送れる被告の状況は、被害者のこれからの人生の苦しみに比べれば、全然マシだと私は思っている。

裁判員参加の第一回目の殺人事件の公判では、求刑16年に対して15年の判決で、「重い」という法曹関係者の意見があったが、そういう感覚こそ市民感覚とはかけ離れている。判決は求刑の八掛けが妥当、なんて、下らない慣例があるようだが、そんな内輪の馴れ合いがまかり通っていた事自体がおかしいのだ。


もう何年も前の事だが、NHKの特集番組で、神奈川県警の女性警察官達の性犯罪への取り組みを見た事がある。その中で、被害に遭った女性達が匿名でのインタビューに応じていたのだが、被害の凄惨さは勿論の事、被害を警察に訴えた後の警察関係者や法曹関係者達のセカンドレイプの酷さと横暴さ、裁判の過酷さがあまりにも悲惨で、未だによく覚えているし、衝撃が強すぎて忘れられない。

帰宅途中、二人組の男に襲われた女性(犯人は未逮捕)は、暴行を受けた後、3時間近く悩むも勇気を出してボロボロの状態で交番に行ったものの、対応した警察官から酷い扱いを受けた。

「何で抵抗しないんだ。バタンと地面に真っ直ぐねっころがればいいんだ。そうすりゃ相手は出来ないだろう」

(ショックできちんと証言できないで居ると)「あなた、(強姦されたって)嘘をついているんじゃないの」

信じられないだろうが、これは警察官が被害直後の被害者に放った言葉である。「一体どこに、真夜中に(傷だらけで)交番に行って、強姦されましたなんて嘘をつく人が居るんでしょうか。強姦された時、もう、結婚とか、子どもが二人位居て、とか、そういう、将来、人生全て否定されたって言うか。死のうと思ったけど、出来なくて」と泣いていた。更に彼女は、近隣地域で類似事件が起こった時に再度証言を取りたいと言われたものの、事件のショックが酷いので躊躇した所、「その年齢なら元々処女じゃないんだろうから、一回やられた位いいじゃないか」と警察官から捨て台詞を吐かれたと言う。


犯人が捕まり裁判に持ち込んだ別の被害者は、「法廷では、プライバシーも何も無い」とした上で、証言台には顔丸出しで立たされ(当時は別室からの意見陳述は無かった)、傍聴人が沢山居る(性犯罪マニアの傍聴人と言うのも居るのが現実である)前で名前も住所も読み上げられ、挙句の果てに

「事件当時付き合っていた人は居るか」

「その人とセックスしていたか」

と言った酷いセクハラ質問をされたと言う。何でも、被害者がセックス経験者だと、「処女が被害に遭うよりはマシ」、被害者の年齢が上がれば上がる程、「若い人が被害に遭うよりはマシ」といった空気があるとか! 別の被害者は「被害者がセックス経験があろうが、たとえお婆さんだろうが、強姦されていいなんて事は無いし、被害者の心の傷は同じだ」と言っており、当然だと思った。


他にも、
「あなたに隙があったからやられたんだ」←被害者を更に傷つけ自責の念に追い込む暴言である。

「派手な服装をしていたから(或いは露出の多い格好をしていたから)狙われたんだ」←「派手な服装の女性よりも、なるべく地味で大人しそうな女性の方が抵抗され難いと思って狙った」「派手な女性は狙わない。バックに怖い彼氏が居たりするので」と言う犯罪者側の証言もあり、アテにならない。何を着るかは個人の自由である。

「暴行されている時感じていたのか」←発言そのものがレイプ。

と言った信じられない暴言が、取調室や公判で警察官や弁護士から放たれる事もあるという。


性犯罪については泣き寝入りする被害者が圧倒的に多い。自らの性犯罪被害を実名告白し、『性犯罪被害にあうということ』という著書もある小林美佳さんによると、小林さんの元に連絡があった被害者1000人のうち、警察に届けた人が10名で、そのうち裁判にまで持ち込めた人はわずか3名だという。また、事件後精神を病んだり自殺に追い込まれるケースもあるそうだ。被害の深刻さもあるが、同時にその後のセカンドレイプがいかに被害者を追い詰め、その尊厳を踏みにじっているかがよくわかる。訴えた所で本来味方であるはずの警察官から侮辱を受け、更に取調べでは、容赦なく「どこをどう触られたのか」と言ったことまで追求され、裁判となると被告や見知らぬ傍聴人の前で顔も名前も晒されて(現在は、裁判所の裁量によっては考慮される場合もある)、セックス経験まで質問され、挙句の果てにせいぜい被告の懲役は2,3年程度となると、被害届自体を出せなかったり、泣く泣く告訴を取り下げて示談に応じる人が多いのもわかる気がする。



さて、そんな現状の中での今回の裁判員参加の公判。女性裁判員がたった一人である事に対する懸念や、性犯罪事件は裁判員参加の対象外にすべきだとか議論はあったが、今までの『セカンドレイプ裁判』と言ってもいいような裁判に比べれば、かなり被害者保護には配慮されていた方ではないかと思った。何故なら『一般人の目がある』事を、関係者は意識せざるを得なかったろうからだ。


裁判員が参加する初の性犯罪の公判。法律に関しては素人の一般人が裁判員として参加し、各方面の識者も傍聴し、マスコミが注目する公判で、被害女性の氏名を晒したり別室での意見陳述を許可せず証言台に立たせたりすれば反発を買う。又弁護側も、そんな中で「貴方にも隙があったのではないか」「セックス経験はありますか」「何故もっと抵抗しなかったんですか」等と、従来のように『被害者の落ち度(この言い方も物凄く腹が立つが)』を追求し、被害者を追い詰めて被告の減刑に持っていくやり方を取るわけにはいかないので、被告の祖母に証言させて涙を誘わせてみたり、両親の離婚による不幸な生い立ちと言う点をアピール(要旨を読んだが、親が離婚したイコール不幸で犯罪に走ったという弁解の仕方は、他の片親家庭に対して物凄く失礼だと思う)して情状面での訴えに方向を変えたとも読み取れる。

医者が死体に慣れる様に、警察官や法曹関係者は事件に対する慣れから、無意識に被害者を傷つけたり、被告の弁護=何が何でも減刑嘆願、みたいな事になってしまう傾向が、無いとは言えないのではないか。今回の公判では、「ここまで詳細に暴行内容を語る必要があるのか」と言った批判もあったが、後の会見で、裁判員だった方が「今回審理を聞いている中で、こんなにもひどい現実があるのだとショックを受けました。今日の量刑を考える上で、今までの事件の例を教えてくれたが、これが現実の世界なんだとショックが大きかったです」と述べられていたように、性犯罪がいかに凄惨極まりないものなのか、又、それと向き合っていかねばならない被害者の想像を絶する苦しみを、多くの人が知るきっかけになったのは事実だと思う。


ただこれは今回の事件のこの公判に限ってという事で、今後被告側が控訴して長引けば、その際裁判員は参加しないので、もしかしたら被害者に対するセカンドレイプが法廷で行われるかもしれないし、減刑される可能性もゼロではない。又、今後も各地で行われるであろう公判で、同じように被害者に対する配慮がなされるという保障はどこにも無い。関係者は今回の公判内容や、被害者の訴え、裁判員の意見に真摯に耳を傾け、セカンドレイプ裁判の撲滅に取り組むべきであるし、特に弁護側も、被害者を精神的に追い詰めるような『被害者側の落ち度の追求』やセクハラ発言(これらは今回は無かったが)、今回のような『被告の生い立ち同情作戦』等で減刑ばかりに拘る事はせず、冤罪を防ぐ事と、犯した罪と向かい合わせて反省の念を呼び起こす事に尽力すべきだと思う。

性犯罪はただでさえ刑期が軽い。「人を無理やり性欲処理の道具にしていい理由」などというものは存在しないのだから、被害者が警察や裁判所で更に傷つけられる事等決してあってはならないのだ。

私は今回の公判の詳細を読んで、事件のあまりの凄惨さと救いの無さに寒気がした。事件当時の被害者の恐怖と屈辱と無念さ、これからの彼女達の人生の過酷さを思って言葉を失った。だからこそ、被害者がこれだけ注目されている公判で肉声で証言した事に対して頭の下がる思いがした。二人とも精神不安に悩まされ、周囲の人に知られる事を恐れ、それでも必死で生きる為に職場に通い、仕事をし、自活しているのだ。一人の女性は事件後、10日間仕事を休んだという。恐怖の極みを味わって、人生を破壊されて、たった10日休んだだけ。生きる為、食べていく為にだ。中国新聞に、被害者の意見陳述の要旨がある。個人特定されるリスク、報道によるセカンドレイプの恐怖、フラッシュバックとの戦い。それらを押しての勇気ある、人生をかけた陳述である。是非読んでいただきたい。

http://www.chugoku-np.co.jp/NewsPack/CN2009090301000804_Detail.html


次は、今回の公判や裁判員制度についての改善点や配慮すべき点などについて書こうと思う。

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